第8回化粧品等の安全性確保を⽬的とした試験法評価に関する研究助成⾦の公募

化粧品に対する動物実験を規制する動きは年々拡⼤しています。国内外の多くの化粧品会社では、化粧品・医薬部外品の開発に動物実験を⽤いることを中⽌し、動物実験代替法に関する最新の研究成果を積極的に開発していますが、医薬部外品等の申請の為の⾏政利⽤となると公的に認められた試験法が求められる状況にあります。しかし、公定化された代替試験法の開発状況はまだ⼗分とは⾔えず、現在求められている新規の化粧品・医薬部外品原料の許認可に必要な申請資料を、動物実験を⽤いないで作成することは困難な状況にあります。国際的にもOECDのテストガイドラインをもとに、安全性の確保が考えられていますが、新たに開発された代替法がこのような国際的な試験法として承認されるのは簡単ではありません。
動物実験代替法が⾏政的利⽤も含め社会に受け⼊れられるためには研究・開発だけでは不⼗分であり、これらの試験法を評価し、信頼性と関連性を確認しなければなりません。さらに、既存のOECDテストガイドラインでは、化粧品・医薬部外品原料の安全性評価に必ずしも⼗分でない可能性があるため、改良研究も重要と考えられます。そこで、本学会の賛助会員でもあります⽇本化粧品⼯業連合会様から、⽇本で開発された試験法が、化粧品や医薬部外品の安全確保のための実⽤的な評価法として、早期にガイドラインあるいはガイダンスに掲載されるなど社会的な受け⼊れを促進させるために、研究助成⾦をご⽀援頂くこととなりました。応募希望者は、試験法評価研究助成の応募書に記載の上、以下に⽰す添付資料とともに応募ください。多数の応募をお待ちしております。

1. 助成の趣旨

化粧品等の安全性確保のための評価項⽬(⽂末の参考資料参照のこと)に対する動物実験代替法について、実⽤性を⾼め、ガイダンス化を含め社会的受け⼊れを促すことを⽬的として、その律速である試験法評価(バリデーション)研究およびそれを前提とする多施設間共同研究等に対して助成を致します。

2. 応募方法

(1) 応募期限:令和3年8⽉27⽇(⾦)(消印有効)
(2) 応募書類
試験法評価研究助成の応募書に記載の上、以下に示す添付資料とともに応募ください。

試験法評価応募書ダウンロード

添付資料
1. バリデーション計画書または多施設間共同研究等に関する研究計画書(目的、期間、組織、費用が書かれているもの)
2. 試験法プロトコルまたは多施設間共同研究等に関する詳細な説明
3. 関連論文または学会発表原稿
4. プレバリデーション報告書(ある場合)
5. その他、申請者が試験法評価上有用と考える資料

3. 助成額及び助成件数助成総額

200万円。なお、応募内容・状況により助成件数は弾力的に対応いたします。

4. 応募課題の選考

研究内容の「有用性※」、「研究内容の独創性」、「助成期間に得られる成果の可能性」などに関する審査と共に「総合評価」も行います。
※ここでいう「有用性」とは、対象試験法のガイドライン化、社会的な受入性の向上、行政上の利用性の向上を図るために有用であることを意味する。具体的にはOECD TGまたは部外品申請のガイダンスにつながると判断される研究のことである。

5. 助成研究者の義務

1. 補助金を受けてから2年以内に目標の実験を終了する。
2. バリデーション実験または多施設間共同研究等の終了後、3カ月以内に報告書を学会事務局に提出する。当該研究がOECDTGあるいは医薬部外品ガイダンスに至るまで進捗報告を行う。
3. バリデーション実験の場合、報告書には、バリデーション報告書の付録として、被験物質選定報告書、統計解析報告書、経理報告書を含む。多施設間共同研究等の場合、報告書には経理報告書を含む。
4. 残金が生じた場合には、学会に返金する。

送付先、問い合わせ:
〒112-0012 東京都文京区大塚5-3-13
ユニゾ小石川アーバン4階(一社)学会支援機構内
日本動物実験代替法学会 事務局(事務担当:柴田)
TEL 03-5981-6011/FAX 03-5981-6012, Email: jsaae@asas-mail.jp
※ご不明な点はメールでお問い合わせください。

参考資料

化粧品に使用する防腐剤や紫外線吸収剤に求められる安全性試験の項目
(平成13年3月29日医薬審発第325号厚生労働省医薬局審査管理課長通知より作成)

1.単回投与毒性
2.反復投与毒性
3.生殖発生毒性
4.皮膚一次刺激性
5.連続皮膚刺激性
6.感作性
7.光毒性
8.光感作性
9.眼刺激性
10.遺伝毒性
11.ヒト皮膚一次刺激性
12.吸収・分布・代謝・排